2024/2/29 〜 2024/3/3 に開催された所謂 ICPC playoff (https://icpc.asia/) に、早稲田大学のチーム「hot-k-k1」のコーチとして参加しました。
選手としてではなくコーチとして参加した記録になります。
出発前までの作業
参加意思の確認
ICPC Asia Yokohama Regional が終わってすぐ辺りから、Regional と WF の中間に位置する、通称 playoff と呼ばれる大会の存在が囁かれ始めたと記憶しています。
早稲田大学のチーム(KKT89, hot-k-k1)はどちらもYokohamaでそれなりに好成績を収めており、出場出来る可能性が高いことが分かっていました。
ICPC Asia Pacific 2023-2024 will have a Playoff Contest - Codeforces
ICPC 2023-2024 Asia Pacific - Google スプレッドシート
この時点では渡航費等が運営から支援されるかどうか、playoffの日程などが不明でしたが、選手たちに参加意思を確認した所、仮に運営や大学から支援が無かったとしても参加する意欲がある、ということだったので、コーチとして事務作業をバリバリやることにしました。
また、Yokohama にコーチとして参加した際に1日目とISUCONが被っていたのでISUCONの方に出たのですが、1日目に現地に居なかったことで選手や運営に少し迷惑をかけてしまったことがあり、慣れない海外でまた迷惑をかけるのは申し訳ないと思ったので、コーチを引き受けた以上、私もなるべく現地に参加する方向で考えることにしました。
渡航費・宿泊費の支援の有無の確認・大学への支援のお願い
そして年末にplayoffの日程が公開され、年始に運営から、hot-k-k1にplayoffへの参加権があることと、参加意思の確認をするメールが届きます。
playoffの日程、これに載ってるやつか?
— siro53 (@shiro537) 2023年12月21日
2/29〜3/3https://t.co/KdkPUoKqoZ
ICPC Asia Pacific Championship 2024 に参加しますか?というメールがコーチ宛に来ているっぽいが、1/10までに返信しろと言われていてあまりにも急すぎる
— siro53 (@shiro537) 2024年1月2日
参加しますという内容のメールを送信したついでに渡航費や宿泊費の有無について質問すると、「渡航費 + 宿泊費 + 参加登録費 は大学に負担してもらってね。それ以外(食事、excursion、etc...)は運営が負担するよ。」という内容の返信が来ました。
残念ながら運営から渡航費等に関する支援は受けられないと分かったので研究室の先生に相談してみた結果、所属学科の関係上支援を受けられる人と受けられない人が発生してしまいました。研究室の先生も親身に相談に乗ってくださり色々動いて下さった結果なので、これは仕方ありません...(支援を受けた人も全額補助して頂いた訳ではありません。難しいですね...)(今回のplayoffの他大の支援内容によっては今後改善される可能性がある、との言葉を頂いたので、来年以降は変わるかも?)
また、参加登録費に関しては IISF から支援を頂けることになりました。こちら非常に有り難かったです。
入国に必要な書類の準備
ベトナムは短期間の滞在であれば入国にビザ等は必要なくパスポートがあれば十分でした。(パスポートの有効期限が6ヶ月以上残っている必要がありますが)
今後別の国での playoff の参加を検討する場合は、その国の日本国大使館のサイトから入国に必要な書類等のチェックをした方がよいでしょう。
また、パスポートの取得には少なくとも1週間以上かかるので、早めの準備を心がける必要があります。(私は現住所と本籍地が遠く離れていたので戸籍謄本を郵送で取得しなければならず、とても大変でした)
ベトナムに渡航するにあたり、選手にパスポートの早めの取得を促しました。
偉そうに早めにパスポート取れと選手に言いながら自分はパスポートに関する作業をめちゃくちゃ面倒くさがっていたので、パスポートを取得するのは私が圧倒的に遅かったです。選手たち偉すぎる...
飛行機の予約
今回私は事情があり京都からベトナムに向かう必要があったので、選手たちと別の便でベトナムに向かう必要がありました。
そのため飛行機の予約は完全に選手たちに任せてしまいました。(これも主体的に行ってくれたのがとても有り難かったです)
飛行機はLCC(ベトジェットエア)で向かいました。補助が出る訳ではないので抑えられる費用はなるべく抑えようと考えたためです。
日本からベトナムまでは5~6時間で着くため、オプションは機内食などは付けずに受託手荷物預かりのみ付けました。
座席が狭すぎるなどの問題はありつつも、概ね問題なく過ごすことが出来ました。
ホテルの予約
ホテルに関しては、ICPCの運営が別の会社に委託しており、その会社経由で予約する形になっていました。
こちらも費用を抑えたいので最も安いホテルを予約することにしました。1泊の値段が同じホテルが2つ用意されていた(Western Hanoi Hotel と Western Hanoi Boutique Hotel)のですが、google map の口コミを見て若干評判な良さそうな Western Hanoi Boutique Hotel を選択しました。
代金は海外送金するように指示されていたのでSMBCダイレクトで送金しました。海外送金の手数料(3500円)が痛すぎましたが、Wiseなどの手数料が安い海外送金サービスは手数料が途中で引かれてしまい正しく全額届かないなどの問題があることが分かったので諦めて手数料を負担することにしました。
後で分かったのですが、ゴネれば現地支払いも許されたらしいです。そんな...(これは事前にメールで確認してみるべきだった)
ホテルに関しては、お湯が出にくすぎる(長時間待たないといけない上、出てもほとんど冷たい水)という欠点はありましたが、それ以外は日本のホテルとあまり変わらないサービスで、そんなに困ることはありませんでした。
参加登録費の支払い
参加登録費は現地で支払いを希望するチームが多いと聞いていたので、日本でUSDに換金して現地で支払いました。
現地でクレジットカードが使えるかどうか分からないので、念の為現金を用意しておいた方がよいと思います(一応クレジットカード使えたと聞きましたが)
IISF から支援を受ける関係で領収書が必要だったので、事前に運営にメールして領収書を現地で発行して貰えるかどうかの確認などを行っていました。
現地での作業
1日目(2/29)
この日は運営が用意して下さったバスに乗りホテルに移動するだけでした。
選手と一緒にバスに乗るつもりでしたが、選手が乗っている便が遅れていたので自分だけ先にバスでホテルまで移動しました。
その際ホテルでICPCグッズ等を受け取る予定でしたがホテルの方から何も渡されなかったため(多分ホテル側のミス)、困惑します。
選手が到着するまでかなり時間があり暇だったので、ホテルから徒歩15分ほどのコンビニ(サークルK)で選手の分まで水を買ったりおやつや酒を買ったりしていました。流石に知らない国の夜道を1人で歩くのはヤバかったので真似しない方が良さそう
2日目(3/1)
この日は参加登録、Opening Ceremony、Practice などを行う日でした。
ここで参加登録費を払い、昨日受け取り損ねたICPCグッズなどを受け取り、チームの記念撮影などを行いました。ICPCグッズを受け取れてないことに関して必死に運営と会話し揉めた結果、運営がホテルまでICPCグッズを取りに行ってくれました。多分僕たちは何も悪いことをしてないと思うのですがちょっと申し訳ない気持ちになりました。運営の方々本当にありがとうございます...
Opening Ceremony は ホスト校のVNU-UETのおもてなしの気合の入り方が凄かったです。なんとしてでも他国の優秀な留学生をウチに入れたいという気概を感じました。
Practice 中はコーチはやることがないので適当に待ちます。
Practice後、バスで食事会場まで向かうのですが、かなり色々なトラブルがあったのでこちら↓を御覧ください...
ちなみに参加登録費の支払いを済ませた時点でコーチの仕事は99%終わりです。
3日目(3/2)
コンテスト当日です。
選手は会場に入場し、コーチは選手の貴重品などを管理しながらコンテスト会場の外で待機します。ハノイは寒いので外で待機するのは中々アレなのですが、まぁ仕方ないです。Wi-Fiが提供されたのは有り難かったです。
コンテスト中は、KKT89チームのコーチのsuta、現地でdiscordで通話しながらかっつ君とplayoffミラーコンテストに参加していました。
siro53とkkt89と私で出ました
— suta (@suta28407928) 2024年3月2日
CEGHJで自分はCと、Gの考察 https://t.co/lTAZLzcZAz
コンテスト後はチャックオック寺を観光した後、近くのPan Pacific Hotelにて Closing Ceremonyが行われ、恒例のYes/Noと共に結果発表が行われました。
KKT89 43位 pic.twitter.com/q4bT0S2097
— 物理好き (@butsurizuki) 2024年3月2日
6完ゾーン
— 物理好き (@butsurizuki) 2024年3月2日
hot-k-k1 32位 pic.twitter.com/rdNnqiBD0q
早稲田のチームは、KKT89は43位、hot-k-k1は32位と健闘しました。お疲れ様でした!
夕食は同じホテルで食事が出ました。コーチは選手とは別の会場で、偉い人たちが沢山いる会場で食べました。飯もワインも全部美味しかったです。
グラスの中を空にしても無限に注がれるワインでかなり気持ちよくなりながら食事してたらバスに置いていかれたので、コーチ陣で2軒目に行ってからタクシーで帰ることになりました。めっちゃ心配されてたみたいだけどかなり楽しんでしまった。ごめんなさい。
4日目(3/3)
この日は Ha Long Bay Excursion となっており、運営が用意して下さったクルーズに乗ってハロン湾観光をしました。
世界遺産をタダで観光出来たし、ハロン湾の洞窟探検もとても面白く非常に満足した1日になりました。
弊チームは翌日朝に運営が用意して下さったタクシーに乗って空港まで送って頂き、無事帰国しました。
タクシーの中で運営の方と同席させて頂いたのですが、作問作業のお話などを伺うことが出来て楽しかったです。
(余談ですがチェックアウトしようと早朝にロビーに降りたらホテルマンがロビーのソファーで寝ててびっくりしました。ベトナムは最後までベトナムだった。)
感想
行く前まではコーチって現地で何するんだろうと思っていましたが、実際に行ってみた所ICPCの偉い人と美味しいご飯を頂いたり、魅力的な観光をさせて頂くことが出来てビックリしてしまいました。
ICPCのコーチはやった方がお得です!!!!(重要)
これも全て ICPC 運営の方々や現地の学生ボランティア、僕をplayoffに連れて行ってくれた選手、その他ICPCに関わる全ての方々のおかげだと思います。学生最後にとても楽しい思い出になりました。本当にありがとうございました。